民法改正と相続
民法改正とは?
平成29年に民法の大きな改正が国会で成立しました。そして令和2年4月から、改正民法が施行されました(一部の条文のついては、それ以前に施行されているものもあります)。報道などでお聞きになった方も多いでしょう。
民法とは?
そもそも民法とは、どんな法律なのでしょう。六法という言葉をご存じでしょうか。日本で制定された主な法や法律のうち、重要な6つのものです。
憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法がそれです。
民法も六法の一つとされています。
民法が決めているのは、日本における「民間相互の関係」の基本的ルールです。
具体的には、民間での取引や身分関係について定めています。そして大きく5つの「編」に分けて条文を定めています。
総則編・物権編・債権編・親族編・相続編 です。
一般的には、総則・物権・債権の3編を取引法、親族・相続の2編を身分法と呼んでいます。
相続にかんするルールは、この相続編で定められているのです。
令和2年度施行の民法改正とは?
令和2年度施行の民法改正は、主として債権編について改正が加えられたものです。具体的には、主として次の様な改正がなされました。
- 時効制度の見直し
- 法定利率の見直し
- 保証制度の見直し
- 債権譲渡制度の見直し
- 契約解除の見直し
これらで全てではありませんが、ここでは、債権編の改正の説明が目的ではないので、詳細に述べることはいたしません。
実は、相続編でもいくつかの改正が行われているのです。
相続のルールへの影響は?
相続に関する民法の規定いついても一部改正が行われ、新たな制度が設けられたり、ルールが改正されたりしています。主たるものを次の通り列挙します。
- 配偶者居住権の制度の新設
- 夫婦間で居住用不動産を譲渡した場合の相続分算定の特例措置
- 遺産分割前の相続人単独での預貯金の一部払戻しの容認
- 自筆遺言証書の方式の変更(自筆要件の緩和)
- 遺留分減殺請求権の変更(金銭での請求が可能に)
- 特別の寄与の制度の新設
また、民法それ自体の改正ではありませんが、新たに自筆遺言証書の法務局での保管制度が新設されました。
個別の制度や改正内容の詳細については、ページをあたらめて解説する予定です。
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